はじめに
何かしらの持病がある場合、バイアグラを使用するのは危険という話を耳にすることがあるかもしれません。緑内障や糖尿病もその一つです。それ以外にも、バイアグラの服用が危険な持病はたくさんあります。一体、どんな持病だとバイアグラを服用するのが危険なのでしょうか?
血圧の数値によっては服用できない!糖尿病とバイアグラの関係
糖尿病は高血圧を併発することが多く、血圧の状態によってはバイアグラを服用できません。したがって、糖尿病の方がバイアグラを服用できるかどうかは、血圧の数値によります。血圧が以下の数値の方は、バイアグラの服用は難しいです。
- ・血圧が170/100mmHg以上の方
血圧が正常の範囲内であれば、糖尿病をお持ちの方でもバイアグラの服用は問題ありません。まずは医師にご相談ください。
実は因果関係は明確にはない!緑内障とバイアグラの関係
緑内障は日本人の失明原因第一位を占めている、眼圧の上昇と関係がある病気です。バイアグラには眼圧上昇の副作用が想定されていることから、緑内障とバイアグラの組み合わせが懸念されるでしょう。
しかし、緑内障の方でもバイアグラの使用は大きな問題はないと言えます。眼圧上昇の副作用は非常に稀であり、バイアグラ服用と緑内障発症の因果関係もハッキリと証明されているわけではないからです。製薬会社も、緑内障とバイアグラの関係については否定的な見解をとっています。これはレビトラ・シアリスにおいても同様です。
可能性としては小さいですが、万が一、バイアグラ服用後に視力の低下を感じた場合は、すぐに専門の眼科医の診察を受けましょう。
その他、バイアグラ服用が危険な持病とは?
バイアグラの服用が危険な持病には、いくつかの種類があります。持病の種類によって、慎重投与が必要なのか、それとも服用が完全に禁止されるのかが分かれます。
慎重投与が必要な持病一覧
- ・肝障害や重度の腎障害:慎重投与
- ・鎌状赤血球性貧血:慎重投与
- ・多発性骨髄腫:慎重投与
- ・白血病:慎重投与
- ・α(アルファ)遮断剤使用中:相互作用有り
- ・チトクロームP450 3A4を阻害する薬剤使用中:慎重投与
- ・カルペリチド投与中:慎重投与
- ・多系統萎縮症:原疾患の低血圧を増悪させる可能性あり
- ・65歳以上:慎重投与
上記の持病をお持ちの方は慎重投与が推奨されます。慎重投与とは、たとえばバイアグラの50mgではなく25mgから処方するといった処置です。それでも強い副作用が出た場合は、服用の中止を判断させていただく場合もございます。
バイアグラの服用が完全に禁止される持病一覧
バイアグラを服用できる人とできない人の違いも気になるかもしれません。以下に該当する方には投与が完全に禁止されています。
- ・バイアグラ成分に過敏な人
- ・心血管系障害など性行為が不適当と判断される人
- ・重度の肝機能障害の人
- ・医療管理されていない低血圧の人や高血圧の人
- ・脳梗塞、脳出血、心筋梗塞が直近6ヶ月以内にあった人
- ・網膜色素変性症患者の人
- ・アミオダロン塩酸塩を投与中の人
- ・可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤を投与中の人
これらはバイアグラの添付文書にも明確に【禁 忌(次の患者には投与しないこと)】と記されており、知らずに服用すると非常に危険です。貴方の持病と処方薬の関係を熟知している医師のもとに利用しましょう。
基本的にバイアグラは処方箋医薬品なので、診察時に持病について医師が問診をして、処方の可否が判断されます。そのため、患者さん自身が上記のような難しい病名を把握しておく必要はございません。
クリニックで診断を受け適切に使用すれば大きな問題は起こらないでしょう。まずは、専門の医師にご相談いただければと思います。
まとめ
- ・バイアグラの副作用として挙げられる眼圧上昇は非常に稀なので、緑内障の方でもバイアグラの服用は可能
- ・糖尿病で高血圧を併発している方は、血圧の数値によっては服用ができない
- ・慎重投与が必要な方は、成分量の少ない薬から服用を始める
- ・服用が禁忌とされる持病の場合深刻な副作用が想定されるので、個人的な判断で服用してはいけない
- ・クリニックで医師の問診や検査を受けてから服用することが安全で確実
医師の問診を受けずに、通販サイト(個人輸入代行業者)からED治療薬を購入することは控えるようにしましょう。医師の診断を受けることなく入手することで、危険にも関わらず服用してしまう恐れがあります。また、偽物を入手してしまう危険性もありますので、医師の問診を受けてからクリニックで購入しましょう。
バイアグラの服用についてや持病など
自分で判断せずED専門医へご相談ください。
どんな持病があるにしても、クリニックで問診を受ければバイアグラの使用可否を判断してもらえます。少しでも迷ったら自己判断せずに、まずは当クリニックにご相談ください。
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