
はじめに
ED(勃起不全)は、男性にとって大きな悩みの種です。満足な性生活を送れないだけでなく、自信喪失やパートナーとの関係悪化にも繋がることがあります。EDの原因は様々ですが、加齢や生活習慣の乱れ、ストレスなどが関係していると言われています。EDの治療法として、近年注目されているのが「筋トレ」です。今回は、ED改善と筋トレの関係性や効果的な筋トレについて詳しく解説していきます。
ED改善と筋トレの関係
EDの原因は様々ですが、加齢や生活習慣の乱れ、ストレスなどが関係していると言われています。
原因 |
詳細 |
加齢 |
男性ホルモンの減少 |
生活習慣 |
偏った食事、運動不足、喫煙、過度の飲酒など |
ストレス |
精神的な負担 |
その他 |
糖尿病、高血圧、神経障害など |
EDの治療法としては、薬物療法や心理療法などがありますが、近年注目されているのが「筋トレ」です。筋トレは、身体的な健康だけでなく、精神的な健康にも良い影響を与えます。特に、特定の筋トレはEDの改善に効果的である可能性が示唆されています。
具体的には、骨盤底筋を鍛えることで勃起力を高める、血流を改善することで勃起をサポートする、といったメカニズムです。ED改善に効果的な3つの筋トレについて、詳しく解説していきます。
ED改善に効果的な3つの筋トレ
EDの改善には、特定の筋トレが効果的です。中でも、骨盤底筋、股関節周辺の筋肉、そして全身の持久力を高めるトレーニングが重要です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.ケーゲル体操:骨盤底筋を鍛えて勃起力UP
EDの改善に効果的な筋トレとして、まず最初にご紹介するのは「ケーゲル体操」です。ケーゲル体操は骨盤底筋を鍛えることで、勃起力を向上させる効果が期待できます。骨盤底筋は、膀胱や直腸を支える筋肉群で、この筋肉が衰えると勃起維持が難しくなることがあります。ケーゲル体操は、いつでもどこでも手軽に行えるのが大きなメリットです。具体的には、以下の手順で行います。
【ケーゲル体操】
-
①尿を止めるように力を入れる
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②そのまま5秒間キープする
-
③力を入れた時と同じ時間をかけて、ゆっくり力を抜く
-
④これを1セットとして、1日10~15セット行う
最初は力を入れるのが難しいかもしれませんが、慣れてくると簡単にできるようになります。また、ケーゲル体操は、尿漏れ防止にも効果的です。ケーゲル体操を行う際の注意点としては、以下の点が挙げられます。
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・呼吸を止めない
-
・お腹や太ももの筋肉に力を入れない
-
・無理なく続けられる回数で行う
これらの点に注意して継続的に行うことで、EDの改善効果が期待できます。
2. 股関節トレーニング:血流改善で勃起をサポート
股関節周りの筋肉は、骨盤底筋と同じく勃起に深く関わっています。股関節の柔軟性を高め、血流を促進することで、勃起機能の改善が期待できます。また、骨盤底筋群の強化にも繋がり、勃起力を高めるのにも効果的です。
トレーニング名 |
効果 |
方法 |
回数 |
開脚ストレッチ |
股関節の柔軟性向上 |
足を大きく開いて床に座り、上体を前に倒す |
左右10回ずつ |
バタフライストレッチ |
内転筋の強化 |
足の裏を合わせて座り、膝を床に近づける |
10秒キープ×3セット |
スクワット |
下半身全体の筋力強化 |
足を肩幅に開いて立ち、膝を曲げる |
10回×3セット |
これらのトレーニングは、自宅で簡単に行えます。無理のない範囲で継続することが大切です。それぞれのトレーニングの具体的なやり方については、動画サイトなどを参考にしながら、正しいフォームで行うようにしてください。股関節の柔軟性や筋力が向上することで、血流が促進され、勃起機能の改善に繋がります。
3.有酸素運動:持久力向上と血行促進効果
有酸素運動は、持久力向上だけでなく血行促進にも効果があり、ED改善にも役立ちます。全身の血行が促進されると、陰茎への血流も増加するためです。また、肥満はEDのリスクを高めることがわかっています。有酸素運動は肥満解消にも効果があり、EDリスク軽減も期待できます。
運動の種類 |
強度 |
時間 |
頻度 |
ウォーキング |
息が少し弾む程度 |
30分 |
週5回 |
ジョギング |
軽く汗ばむ程度 |
20分 |
週3回 |
水泳 |
少し疲れる程度 |
30分 |
週2回 |
サイクリング |
会話ができる程度 |
40分 |
週3回 |
上記はあくまでも目安です。自身の体力に合わせて、無理なく続けられる運動を選択しましょう。また、毎日無理なく継続することが大切であるため、以下の点には注意しましょう。
-
・急に激しい運動を始めると、体に負担がかかり逆効果になる可能性があります。少しずつ運動強度を上げていくようにしましょう。
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・運動中に痛みや不調を感じた場合は、すぐに運動を中止し医師に相談しましょう。
-
・運動前後は、必ずストレッチを行い筋肉をほぐすようにしましょう。
有酸素運動は、継続することで効果を発揮します。焦らず、少しずつでも毎日続けることが重要です。
筋トレの効果を高める生活習慣
筋トレの効果を最大限に引き出し、ED改善を促進するためには、日々の生活習慣の見直しも重要です。特に重要なのは、「食生活」「睡眠」「ストレス」の3つの管理やコントロールを行うことです。
ポイント |
|
食生活の改善 |
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睡眠の質向上 |
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ストレス管理 |
|
EDの改善・予防には、バランスの取れた食生活を心がけることが重要です。以下のような特定の栄養素には、ED改善の助けとなる効果もあります。野菜、果物、全粒穀物などを中心とした健康的な食生活を送りましょう。
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・アルギニン
血管拡張作用により血流改善 (牛肉、鶏肉、魚、大豆製品)
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・亜鉛
男性ホルモンの分泌促進(貝類、ナッツ類、赤身の肉)
-
・ビタミンE
抗酸化作用で血管の老化を防ぐ(アーモンド、アボカド、ほうれん草)
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・ビタミンD
血流改善、テストステロン産生促進(魚、きのこ類、卵)
また、質の高い睡眠は、EDの改善に欠かせません。睡眠不足は男性ホルモンの分泌を低下させ、勃起機能に悪影響を及ぼします。加えて、疲労やストレスの蓄積にも繋がり、EDをさらに悪化させる可能性があります。睡眠不足や、寝ているのに疲れが取れない方は、対策が必要です。睡眠の質を向上させ、EDの改善に繋げましょう。
ストレスもEDの要因の一つです。ストレスを効果的に管理することで、ストレス耐性を高め、EDの予防・改善に役立ちます。心身のリラックスを意識し、ストレスと上手に向き合うことで、より良い勃起機能の改善を目指しましょう。
やってはいけないNG習慣
ED改善のために筋トレを始めようと考えている方に、注意していただきたいNG習慣を3つご紹介します。せっかく筋トレを始めても、効果が出にくくなってしまうだけでなく、EDを悪化させてしまう可能性もあります。心当たりのある方は、ぜひ改善を検討してみてください。
過度な筋トレ:逆効果になることも
ED改善を目指して筋トレに取り組むことは素晴らしいです。しかし、過度な筋トレは逆効果になる可能性があるため注意が必要です。
目的 |
効果 |
過度な場合 |
勃起力向上 |
血流促進、男性ホルモン分泌 |
テストステロン低下、疲労蓄積 |
持久力向上 |
心肺機能強化 |
疲労困憊、免疫力低下 |
ストレス軽減 |
気分転換 |
ストレスホルモン増加、自律神経の乱れ |
上記のように、適切な筋トレはED改善に効果的ですが、やりすぎるとかえって悪影響を及ぼします。過度な筋トレは、テストステロンの低下や疲労の蓄積により、EDの悪化につながる可能性があるためです。さらに、過度なトレーニングはストレスホルモンの増加や自律神経の乱れを引き起こし、心身への悪影響も及ぼすかもしれません。適度な筋トレを継続するためにも、以下の点に注意しましょう。
-
・休息日を設ける
-
・自分の体力に合ったトレーニングを行う
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・プロテインなどのサプリメントで栄養補給を行う
-
・トレーナーに相談する
筋トレは継続することが大切です。体調と相談しながら、無理のない範囲で行うようにしましょう。
長時間労働:疲労蓄積でED悪化
長時間労働は、肉体的にも精神的にも大きな負担となり、EDの悪化につながる可能性があります。疲労の蓄積は、男性ホルモンの分泌量を低下させ勃起機能に悪影響を及ぼすためです。そのため、労働時間が長く疲労が溜まると、EDリスクも高まります。
また、長時間労働によるストレスもEDの悪化要因となります。ストレスは自律神経のバランスを崩し、血管を収縮させるため、勃起に必要な血流が阻害されるのです。さらに、長時間労働は睡眠不足を招きやすく、男性ホルモンの分泌を低下させるリスクがあります。長時間労働によるED悪化を防ぐためには、以下のような対策が有効です。
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・仕事の効率化を図り、残業時間を減らす
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・定期的に休憩を取り、疲労を蓄積させない
-
・休日はしっかりと休息し、心身をリフレッシュする
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・趣味や運動などでストレスを発散する
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・睡眠時間を確保し、質の良い睡眠を心がける
これらの対策を実践することで、EDの悪化リスクを軽減し、健康的な生活を送ることができるでしょう。
アルコール・タバコ:血流を阻害し勃起不全リスク増加
アルコールとタバコはEDに悪影響を与える習慣の代表格です。
悪影響 |
アルコール |
タバコ |
短期的な影響 |
勃起神経の麻痺 |
血流阻害による勃起困難 |
長期的な影響 |
テストステロン分泌抑制 |
慢性的な血流不全 |
ED改善のためには、アルコールとタバコの摂取量をコントロールすることが重要です。過度のアルコール摂取は、勃起神経を麻痺させ、勃起機能を一時的に低下させます。過剰飲酒が長期化すると、テストステロンの分泌を抑制し、EDの根本的な原因となる可能性もあるため注意が必要です。
また、タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血流を阻害します。陰茎への血流が滞ると、勃起や勃起状態の維持も難しくなります。
可能であれば、禁酒・禁煙に挑戦してみましょう。難しい場合は、摂取量を徐々に減らすことから始めてみてください。これらの悪習慣を改善することで、筋トレの効果を高め、ED克服に大きく近づけるはずです。
ED克服筋トレに関するよくある質問(FAQ)
ED筋トレに関するよくある質問にお答えします。
質問 |
回答 |
筋トレでEDは完全に治りますか? |
EDの原因は多岐にわたるため、筋トレだけで完全に治るとは断言できません。しかし、血流改善や体力向上といった効果から、EDの症状改善に役立つ可能性はあります。特に、血管性のEDや生活習慣病に起因するEDには効果が期待できます。 |
どれくらいの期間で効果が出ますか? |
効果が出るまでの期間は個人差があります。一般的には、数週間から数ヶ月継続することで、徐々に効果を実感できる方が多いようです。焦らず、継続することが大切です。また、効果を高めるためには、筋トレだけでなく、生活習慣の改善も合わせて行うことが重要です。 |
他の治療法と併用しても大丈夫ですか? |
はい。多くの場合、併用可能です。ED治療薬やカウンセリングなど、他の治療法と併用することで、より効果的な改善が期待できます。ただし、併用する場合は、必ず医師に相談してください。自己判断で併用すると、予期せぬ副作用が生じる可能性があります。 |
まとめ|筋トレと生活習慣改善でEDを克服
EDの改善には、筋トレと生活習慣の改善が効果的です。特に、骨盤底筋を鍛えるケーゲル体操、血流改善に効果的な股関節トレーニング、持久力向上と血行促進効果のある有酸素運動は、ED改善に大きく貢献します。過度なトレーニングは逆効果になる場合もあるため、体調と相談しながら行ってください。
効果的な筋トレを行う一方で、生活習慣にも気を付けましょう。生活習慣の改善は、EDの予防にも繋がります。タバコやアルコールといった悪影響を及ぼす習慣にも注意が必要です。
EDは、筋トレや生活習慣の改善といった自助努力で克服できる可能性があります。諦めずに、今回ご紹介した方法を試してみてはいかがでしょうか。もしも症状が改善しない、または悪化する場合は、医療機関への相談も検討しましょう。専門家の適切なアドバイスを受けることで、より確実な改善へと繋がるはずです。
監修医師

医療顧問
奥村 康之 医師
経歴
和歌山県立医科大学医学部卒業後大阪大学医学部附属病院にて麻酔科、形成外科研修医勤務 藤田保健衛生大学附属病院 形成外科所属
大手メンズクリニック、美容クリニック勤務
AGAスキンクリニック名古屋院の院長就任
医療法人社団真美会理事長に就任
メンズライフクリニック医療顧問に就任
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